医学部受験の英語対策を考えたとき、
「キクタン医学部受験」と「システム英単語メディカル」、どちらを使えばいいのか迷ったことはないでしょうか。
あるいは、
・両方やるべきなのか
・そもそも本当に必要なのか
と悩んだことがある人も多いと思います。
しかし、こうした単語帳の比較は、意外と「なんとなくの印象」で語られることが多いのが実情です。
そこで今回は、これらの単語帳を実際にデータとして処理し、
・ターゲット1900とどれくらい重複しているのか
・どれくらい“追加で覚える語”があるのか
・それぞれの単語帳がどのような語彙領域をカバーしているのか
を分析してみました。
本分析でターゲット1900を基準としたのは、医学部向けの専門単語帳に取り組む前提として、同レベルの基礎語彙の習得が一般的に想定されているためです。
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1. 分析方法
本分析では、Pythonを用いて単語リストを機械的に処理し、見出し語の完全一致に基づいて語彙の重複と差分を算出しました。
比較対象は以下の3つです。
・ 英単語ターゲット1900(6訂版)
・キクタン医学部受験
・システム英単語メディカル(改訂版)
まず、それぞれの単語帳から「ターゲット1900に含まれる語」を除去し、純粋な「追加語彙(純増語)」を抽出しました。
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2. 純増語の比較
結果は以下の通りです。
| 単語帳 | 総語数 | ターゲット1900と重複 | 純増語 |
|---|---|---|---|
| キクタン医学部受験 | 976語 | 346語 | 630語 |
| シス単メディカル | 772語 | 189語 | 582語 |
両方やった場合
なお、「キクタン医学部受験」と「シス単メディカル」の両方を、ターゲット1900を除外した上で合わせて分析すると、以下のようになりました。
| 項目 | 語数 |
|---|---|
| 総純増語 | 1000語 |
| 両単語帳の重複語 | 212語 |
つまり、この2冊は単純に内容が重複しているわけではなく、
それぞれ異なる領域の医学語彙をかなり多く含んでいる
ことが分かります。
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3. ここから分かること
まず判明したのは、
どちらの単語帳も「約600語前後」の追加語彙を提供している
という点です。
しかし、より重要なのは、その「中身」です。
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4. 語彙の性質の違い
それぞれの単語帳にしか載っていない語を分析すると、明確な違いが見えてきます。
『キクタン医学部受験』
特徴的な語彙
医療倫理・精神面
・accountability(説明責任)
・vanity(虚栄心)
・gratitude(感謝)
・humane(人道的な)
社会問題・一般教養
・warfare(戦争)
・sustainable(持続可能な)
・demography(人口統計)
・immigrate(移住する)
基礎医学
・bacterium(バクテリア)
・physiology(生理学)
・blood pressure(血圧)
・respiration(呼吸)
・gynecology(産婦人科)
👉背景知識として持っておきたい「一般教養的な医療単語」にフォーカスした構成。
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『システム英単語メディカル』
特徴的な語彙
高度な生物学・解剖学
・cytoplasm(細胞質)
・prokaryote(原核生物)
・diaphragm(横隔膜)
・pancreas(膵臓)
・genome(ゲノム)
臨床・疾患・最新技術
・sepsis(敗血症)
・aneurysm(動脈瘤)
・apoptosis(アポトーシス)
・thrombosis(血栓症)
・pathogen(病原体)
・in vitro(試験管内で)
👉実際の医学論文の抄録(Abstract)や、最新のバイオテクノロジー、詳細な解剖図の説明に出てくるような、生物・医学系の専門語彙。
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5. 決定的な違い
この違いを一言でまとめると、こうなります。
キクタン
= 医療リテラシーと教養の総合力
シス単
= 医療の現場や研究で使われる専門用語への特化
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6. どちらを使うべきか
これは単純な優劣の問題ではありません。
むしろ、
「役割が異なる」
と考えるべきです。
✅ キクタンが向いている人
* 医学部特有の単語学習をこれから始める初学者
* 病気、医療倫理、社会問題など、一般的なテーマを広くカバーしたい人
✅ シス単が向いている人
* 理科(特に生物)が得意で、背景知識とリンクさせて一気に語彙を増やしたい人
* 「ガチ病理系」のテーマに出てくる語彙を対策したい人
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7. 結論
まずはキクタンで「医学英語の土台」を作り、志望校の過去問を見て専門用語の壁を感じるようであれば、シス単メディカルを追加する、という戦略的な使い分けが現実的でしょう。
この記事を書いた人
医学部受験専門予備校で15年以上英語を指導。
英語学・言語教育学を背景に、「なぜその語彙が必要なのか」「どの単語帳をどう使い分けるべきか」といった観点から、医学部英語を分析しています。
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