医学部受験の英語対策として、「専門的な単語帳は必要なのか」と悩む受験生は少なくありません。
医学部受験用の英単語帳として、「キクタン 医学部受験」という教材があります。私自身、予備校講師になったばかりの頃、この単語帳を購入し、全て覚えました。
指導の中で、医学・科学系の語彙に触れておきたいという意向のある生徒に対しては、選択肢の一つとしてこの単語帳を紹介することがあります。
結論から言えば、この単語帳は必須ではありません。
ただし、使い方によっては意味があります。
この記事では、実際にこの単語帳を覚えた経験と、15年以上にわたる医学部受験指導の経験を踏まえて、その位置づけを整理します。
■ 実際に全部覚えてどうだったか
私はこの単語帳を一通り覚えました。そして、15年以上にわたり医学部受験専門予備校で指導を行い、多くの医学部の過去問を解いてきました。
その中で感じているのは、この単語帳に収録されている語彙のうち、実際の入試で頻出するものはそれほど多くないということです。
体感的には、出題される割合は2割にも満たない印象です。
さらに、仮に出題されたとしても、注釈が付されているケースも少なくありません。
そのため、この単語帳の語彙をすべて暗記することが、合否を左右する決定的な要因になるとは考えにくいのが実情です。
■ では、この単語帳は不要なのか?
では、この単語帳はやる必要がないのかというと、そう単純でもありません。
医学部の英語では、医療・科学系の文章が出題されることがあります。
その際、専門用語を知っているかどうかで読みやすさは確かに変わります。注がついていたとしても、わざわざ注を見に行ってまた戻るというタイムロス(認知負荷)を減らすこともできます。
この単語帳は、そうした語彙に体系的に触れることができるという点で価値があります。
また、音声とセットで覚える形式になっているため、記憶の定着という観点では優れた設計です。
■ どの段階でやるべきか
重要なのは「優先順位」です。
まずやるべきは、一般的な受験英単語です。
・英単語ターゲット1900
・システム英単語
こうした標準レベルの単語帳を1冊、確実に仕上げること。これが最優先です。
そしてそのあとは
・英熟語ターゲット1000
・解体英熟語
などを使って熟語を約1000個覚えてください。どの熟語帳にも大体1000個入ってます。
ここまでが最低ラインです。
そして、これらが終わった後は、以前他の記事にも書きましたが、
・速読英単語 上級編
・キクタン【Super】12000語レベル
・英検準1級の単語帳
など、を使って上級語を固めていってください。医学部受験単語よりも、こちらに出てくる上級語の方が出てくる頻度が高いです。
これらが終わった上で、まだ余裕があるのであれば、医学部受験単語帳に手を出すのが良いと思っています。
👉(医学部受験用の単語帳が本当に必要かどうかについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。)
■ 結論
キクタン医学部受験は、「やらなければ受からない」単語帳ではありません。
しかし、「やれば多少有利になる」可能性はあります。
ただしその効果は限定的であり、まずは標準的な語彙を確実に身につけることの方が、はるかに重要です。
